2012-02-07

ずいぶん長いあいだ留守をしてしまいました。

突然ですが、妻は死ぬかもしれません。
いま、死の隣で疲労困憊して喘ぎながら休息しているところです。

二月三日午前六時五十分に、痙攣の発作を起こして病院に入院しました。診断名は「症候性てんかん」。二次性てんかんともいうそうです。
血圧が低下し、肺炎も併発して危篤状態となりました。また、六日に軽い脳梗塞を起こしました。一見はおだやかに眠っているようですが、体の余力が残っていないようなのです。肺炎になっても熱を出して抵抗する元気もないということのようです。

今日七日、救急救命室から脳外科病棟の個室に移りました。出来るだけ時間に制約されずに家族と長くいられるようにという病院側の説明でした。
妻はいままで大きな怪我を何度も乗り越えてきましたが、さすがに今回はあまり元気がありません。てんかんの発作は負担が大きすぎたかもしれません。くも膜下出血後の患者にてんかんの発作がわりあい起きることは最初の手術後の後も聞いていましたが、この時期に起きるとはわかりませんでした。

すこし予兆があったといえばありました。一月十六日、顔がすこしむくんでいるのとときどき誤嚥があり、また夜の独語が多くなりすこし呂律もおかしいのでいま入院している病院の脳外科に（最初の手術をしたところ）久しぶりに行き、脳のCTや、電解質のバランスなど全部を調べてもらいました。この時の血液検査の結果は、驚くべきもので今回も診てくれている医師が「信じられない、外来に来ているどの患者よりもいいくらいだ。下垂体障害の患者のホルモンバランスが投薬もなしに安定するなんてあり得ない」と驚嘆の声を上げたのでした。

気になった誤嚥に関しては、いつも往診してくれる診療所が専門家を派遣してくれて、いろいろテストをしてもらったところ、まったく問題なしで筋肉の量も充分にありまだ若々しいので良く運動するようにとまで言ってくれました。
また、前日には往診があり、妻もにこやかに医師に応対していたのでした。

むろん希望は捨てていません。ただ、ゆるやかに死の方に歩んでいこうとする妻のそばにこれから出来るだけいようと思います。

昨年の10月24日、子供たちが還暦の祝いだということで昔よく行った伏見区の韓国料理店に招待してくれた時の写真です。これはほんとに久しぶりの外食で、妻もとても喜んでいました。画像は娘の携帯なのであまり良くありませんが、良い表情だと思いました。

コメント 19

おはようございます。
何という事でしょう。
しばらく更新が無かったので心配していたのですが…

どうぞ、奥様の傍でいっぱいお話しをしてあげて下さい。
聴力は本当にいつまでも残っているようです。
返事をする動作はないかもしれません。
でも、奥様にはmiyataさんの声は聞こえています。

父も母の声だけは区別できていたようで、最後まで母の声に励まされていました。
どうぞ、miyataさんも心も身体も大切にして下さいね。

東京からお祈りしております。

by ほんのり (2012-02-08 08:26) 

おはようございます。
ずいぶんしばらくぶりの更新で、飛んでまいりましたが・・・
miyataさんは静かに淡々と書かれていらっしゃいますけれど。。。
どのような言葉をかけたらよいか、わからないでおります。
人生何があるかわからないものと私も常々思う事ながら、あまりにも突然です。
前向きになられていただけに、とても残念でなりません。

今は、お二人の時間をどうか大切になさってくださいませ。
by hana2011 (2012-02-08 08:35) 

どのような言葉をおかけすれば良いか分かりません。
しかし、miyataさんが誰にも真似が出来ないくらい奥さまを看護されてきたと思います。
ご自身の休息をしっかり取るようにして下さい。

by Silvermac (2012-02-08 18:10) 

こんばんは。
何とお言葉をかけていいのか・・・言葉が見あたりません。
還暦祝いの席の奥様の笑顔が穏やかで素敵ですね。
お二人の時間を大事になさって下さい。
miyataさんご自身もご自愛下さい。
by yakko (2012-02-08 18:58) 

ほんのりさん、hanaさん、SilverMacさん、yakkoさんこんばんは。
コメントがしづらいエントリを上げてしまって、すみませんでした。長いことここを放り出しておいて、いきなりこんな事を書くことになろうとは。
状態は良くありません。一昨日よりも昨日が、そして今日がと悪くなっていきます。今日は呼吸を確保するために気管に管を挿入しました。苦しがる元気がないのがなんとも口惜しいです。これからの治療に残されているのは、人工呼吸器だけです。それでも、なんだかもう一度元気になるような気がしてしまうから不思議です。この状態を認めたくないのではなくて、どこかに希望が顔を覗かせているように見えるだけですが。みなさんのコメント、ほんとうにありがたいです。どうも、ありがとうございます。おやすみなさい。
by miyata (2012-02-10 02:47) 

人はいつか死を迎えるけど　それは　思いもしない日だったり
もう少し頑張れとか　どうしてこの人が　とか
さまざまな思いを抱えていると　思います。
今までの　看護と介護の経過を知っているだけに　何もコメントは出来ませんが　悔いの無いようにとは思います。
この年になっても　何百人もの死を　見取っても
死は辛いものです。
痛い　かゆい　苦しい　そういう事がなければ　・・・
泣きたい時は泣く
いいたい事は言う
哀しい時は　悲しむ
単純なことですが　
ついていて　あげてください
耳は聞こえていますので　声をかけてあげてください
仮死状態の時　私　しっかり声だけは聞こえてましたので
miyataさんのお体もご自愛ください


by すず音 (2012-02-10 05:43) 

すず音さん、ありがとう。ありがとうございます。
by miyata (2012-02-10 09:36) 

私もしばらくブログは休んだりしていましたが、不定期で更新、巡回しています。

しばらくぶりの更新で、あまり良いお話でなかったのは、なんとお声かけしてよろしいのか、本当に心苦しいばかりです。ただ、今は再度の復帰を願うばかりです。
かなり厳しい状況のようですが、少しでもそばにいてあげられるとよいですね。

by タケノコ (2012-02-12 21:29) 

取り急ぎ
http://ketinbo.blog.so-net.ne.jp/
に戻れました
by ミッチー (2012-02-13 00:12) 

タケノコさん、おはようございます。
こういう記事はほんとにコメントが書きづらいですよね。意識もなく、危篤状態が続いています。きっと良くなると信じております。どうもありがとうございます。
by miyata (2012-02-13 07:52) 

ミッチーさん、どうも。よかったですね。というかあまり事情がわかっていなくてすみません。
by miyata (2012-02-13 07:53) 

今ゆっくりとブログを拝見させていただいています。
妻を看取る。つまにとって最高の幸せです。
私が出会った範囲では男の方が本当に優しくみていらっしゃいます。
誰も妻を看取る覚悟は持つべきなのですが。
男は妻に見取ってもらうと決めている人が多くてこれがさびしいことです。宮田さんご立派です。神様がきっとあなたの願いをかなえてくださると思っています。
by ミッチー (2012-02-13 13:07) 

私も妻に看取ってもらう予定でしたが、現実は意外な方向に〜
by 練習菌 (2012-02-13 20:15) 

こんばんわ。

何度もコメントを書いては消してを繰り返して
なにも言葉にできない自分がいます。

奥様の回復を心よりお祈りしています。
miyataさんも無理せず奥様のそばにいてくださいね。

by tonton (2012-02-13 23:25) 

寄り添っているだけ。
とても大切なことだと思います。
私も、母が　和ちゃんが、
最近は毎朝　息が荒くなるのですが、
見守るだけです。
なにもできません。
でも、独りではない。

by 野田明宏 (2012-02-14 12:09) 

ミッチーさん、どうもありがとうございます。
by miyata (2012-02-15 02:18) 

練習菌さん、こんばんは。ほんとにそうでしたね。胸が痛みます。だから、男はそんな予定を立てるなってことでしょう。
by miyata (2012-02-15 02:22) 

tontonさん、ありがとうございます。なにも出来ないのですが、あれやこれやと語りかけています。
by miyata (2012-02-15 02:25) 

野田さん、ありがとうございます。
ブログの最近のご様子、ちょっとハラハラしていました。胃瘻についての記事、よかったです。励みになりました。変な書き方ですが妻はすでに医師の予測を超えて生きています。このままずっとそうなってくれるのではないかと希望を捨ててはいません。
by miyata (2012-02-15 02:31)