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古い写真 3 [介護と日常]

母親の記憶は年とともに輪郭が曖昧になってきている。母親らしい愛情は別にして身体の弱い人。厳しくてきつい人。風景に馴染まない人といった印象がある。風景に馴染まないというのは、周り近所で世間話をしていてもいつも異和をまとっていた人だったという意味で馴染めない人だったのだろう。厳しくてきついという印象と、母に対する反抗は対になっている。まったく嫌いではなかった。嫌いではなかったけれども反抗せざるを得ない鬱々とした感情を持ち続けた。母はそんな私にずいぶん心を砕いたのではないだろうか。

見つかった写真を見て驚いたのは、母にもこんなはつらつとしたときがあったのかということだった。私もこの頃はまだ喘息もない元気な少年だったらしい。母が頭にかぶっているのは私がよくかぶせてもらっていた新聞か何かでつくった兜だそうだ。
この時の母は今の私よりも20歳以上も若いわけだが、そうとは見えない。やはり母である人にしか見えない。この辺りが不思議といえば不思議である。
野球少年.jpg

昭和29年か30年頃であろう。

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