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空は澄み [介護と日常]

しばらくブログから離れていた。別段、煮詰まっていたり疲れ果てていたわけではない。むしろ、ここ数年、特に妻が倒れてから初めてと言って良いくらいクリアに、ある種躁ではないかと思うくらいに、高揚していた。多分、自分の閉塞的な情況の出口がみえたのではなく、方向性が見えてきたと、それが感違いであっても思えるようになったことが大きな要因となっている。
妻の方は意識レベルの後退が止まらない。今日歯科医に行った。30分くらいと言われた治療時間が1時間を過ぎても終わらない。私が途中でトイレに行った時にまさか治療が終わっていて治療室から一人で出て行ったのではあるまいかと心配になって、妻はまだ治療が続いているのかと訪ねたほどだった。
結局、1時間半を過ぎた頃呼ばれてみると医師が顔中汗だらけにして、「ここ最近意識レベルが低下していますか?」と質問してきた。かなり良くないと答えると「そうですね。先週はそうでもなかったのですが、指示が届かないんです。口を開けてと言っても閉じるし、うまくいきません。だからこんなに時間がかかりました。早急に入れ歯を作りますが、最初から調子が良い入れ歯が出来そうもありません。時間をかけながら修正していくしかないですね」という。だから二週間とか三週間も開けずに続けて治療をしてくれと言ってるのに・・。だけど、急ぐのなら近所の歯科にと言われていたので強くは言えない。したがって、妻は今も歯は抜けたままのおばあさん顔のまま。
帰りの車の中で、あまりの空のきれいさに「見て見て、素晴らしい空だね。きれいだね」と話しかけてもじっと前を見ながら表情もなく「きれいやね」と返してくるだけ。
そうそう、尿崩症の疑いは晴れた。ホルモンは正常だった。おまけにナトリウム濃度も下がって点滴をしなくてすんだ。なのに、意識レベルは後退している。ナトリウム濃度が高くなると足下がもつれたり、言葉がおかしくなったりと、途端におかしな行動をし始めるが、この事と意識レベルとの直接的な因果関係は無いかもしれないなと、ふと思った次第。歯と意識レベルの後退との因果関係がなければ、まずいなあと不安がよぎる。
朝晩の冷え込みが気になり始めた。冬支度をそろそろしなくてはと、少し焦り始めている。


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左膳

今後の方向性が見えてきたとのこと、拙者なども自分なりの
方向性がこれで良いのか?と、不安でいっぱいです。
奥さんの意識レベルの原因がはっきり解ることを願います。
by 左膳 (2006-10-27 13:24) 

サタン

何と申し上げて良いのか・・・・
方向性が見えたとはおっしゃっても肉体的、精神的に大変な事は変わらないと思います。
最愛の奥様のため頑張ってくださいとしか言いようがありませんがきっと奥様はわかっていると思います。
何の力にもなれず己の無力さに打ちひしがれています。
くどいようですが、希望を捨てず頑張ってください。
by サタン (2006-10-27 17:28) 

検査の結果がよかったことホットいたしましたが
意識レベルの低下大変ですね。
多発性脳梗塞の家族を在宅介護していました折。疎通性の欠如を感じたときがありました。
私は気にしないで、ほんとに躁かなと思う自分がいました。
今から考えるとそれがわたしを守っていたような気がします。
最後に癌が全身転移していましたのでホスピスに入りましたが
夜葉自宅に帰っていました。朝いきますといったいどこへ行っていたのかと普通の会話をします。
友人たちが最後まで交代できてくださっていました。
「わからないのかなあ」とききます。

わたしにはわからないことも普通のことになっていましたような気がします。
by (2006-10-27 22:05) 

miyataさんの心は澄んで、方向性もみえてきたとのこと。
ただ奥様の意識の低下は、認知症の進行なのか、それとも別の症状由来なのか気になりますね。正常圧水頭症とかでも似たようなかんじになるようですから。。。。
by (2006-10-28 14:10) 

miyata

みなさん、こんにちは。お久しぶりです。
コメント&niceありがとうございます。
皆様の方にもこれから伺わせていただきます。

方向性が見えてきたというのは、やるべき事が見つかったとかというものではなく、今の生活が変わりようがないということを、被害者意識を持つことなくどう受け止め考えていったらよいかという事に対してです。おそらく遠回りになるでしょうけど、今後20年以上は充分に(たった?)時間があるので焦らずこつこつと考えてみようと思っています。

女房との生活は、今は波風も立たず、どちらかといえば平穏です。炊事、洗濯、掃除も三年も続ければ、普通の日常ですし、秋や冬にどんなものを着せようかとか他愛もない悩みもゆとりが出てきたからかなと思っています。

>左膳さん
やっぱり徐々に進行してるのかなあと、不安になりますが、今までも波だらけだったので、たまたま良くない時期にさしかかっているのだろうと思うようにしています。

>サタンさん
ありがとうございます。希望を見失わないようにします。もう慌てても仕方がないし、腰を落ち着けるしかないですね。

>なかなかないさん
疎通性はかなり危ういです。話しかけても全然違う話がでてきます。うんうんと頷きつつ会話を進めますが、息子は「それでよく会話が成り立ってるなあ」と感心してます。笑うような荒唐無稽な話がよく出てきます。この話をメモしておけばといつも思うのですがつい忘れてしまいます(笑)。

>タケノコさん
そうなんです。ちょっと気にかかります。とうとう自分の誕生日が言えなくなりました。簡単な計算問題も出来なくなりつつあります。前回の診断は、久しぶりに全部をチェックしてくれたんですが、問題となるような兆候はありませんでした。鬱症かなとも思ったのですが、別段ふさぎ込むようなこともないし、とりあえず歯の治療が終わるのを待っています。
by miyata (2006-10-28 17:05) 

suzune-k

こんにちわ
朝夕とめっきり冷えこんで参りました。
奥様のことでも無理をなさらないように。
ただひたすら祈っています。
「わたしの恵みは、あなたに十分である
 私の力は弱さのうちに完全に現れるからである」
by suzune-k (2006-10-28 18:46) 

Silvermac

呉々もご自愛を祈ります。
by Silvermac (2006-10-28 20:53) 

シマリス

miyataさん、今晩は。
私も昨日から何をどう書いたら良いかを思い、結局何も書けずにいました。
miyataさんはもう解っていらっしゃる。そして皆さんのおっしゃる通りですもの、新たに私の出る幕はありませんね。
全てをありのままに受け入れて、これからの毎日を生きていく・・・これも時間とそれに伴った今までの経験からですか。
私は自分自身、まだこれからかと思います。
miyataさん、ご自身のお体も考えて無理はなさいませんように。
by シマリス (2006-10-28 21:57) 

miyata

すず音さん、こんばんは。
お祈りいただいてありがとうございます。平穏な日々を送っております。最近はちょっと外に出て行く気分にもなってきました。あまり行き足がつかないように自重していますが(笑)。
by miyata (2006-10-29 01:53) 

miyata

SilverMacさん、こんばんは。
あっという間に月末。そして11月ですね。その日をほんとうに楽しみにしております。
by miyata (2006-10-29 02:03) 

miyata

シマリスさん、こんばんは。
脳のことを考える時「やさしい問題」と「むずかしい問題」があるそうです(養老猛)。この間、NHKのプロフェッショナルという番組を見ていたら茂木健一郎という脳科学者が「人間の脳は感動のシェアを他人に広げる事によって発達してきたのではないかといわれているんです」(不正確?)と語っていたのが印象に残っています。
私はやさしい問題として自分のこれからの生活を考える上で、ちょっとむずかしい問題に触れてみようかなと思っているのです。なにしろ門外漢であるうえに、ど素人でもありますから、どうなるかわかりませんが、楽しみでもあります。
by miyata (2006-10-29 02:14) 

tomoko

めっきり寒くなりました。仙台も紅葉が始まり街路樹が赤、黄、黄緑と美しく色づいています。286号線の街路樹が今一番きれいです。
私のブログに写真UPしてますので覗いてくださいね。
子供達に誕生日祝いにデジカメを買ってもらい嬉しくて撮りりまくって居ます。そんな事でもしてないと気が落ち込んでしょうがないしね。
この年になって色々考えさせられるよ右も左も京都も・・・・お互い身体だけは頑丈に出来ているので、心も丈夫で生きましょう!
by tomoko (2006-10-30 22:11) 

miyata

ともちゃん、こんばんは。
デジカメをプレゼントしてくれるなんて、甲斐性があるお子さん達ですね。いや、みんな立派だ。息子が11月2日から兄貴の子供と一緒に高知の田舎で展示会をやります。甥っ子の方は最初の窯に失敗して今日やっと窯出し出来たようです。朝5時くらいから二人で高知に向けて出発するとのこと。どんな評価をされるか楽しみだと言ってます。丈夫な心ですね。はいはい、ようく心がけておきます。
by miyata (2006-11-01 03:43) 

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