書き忘れていたことなど [介護と日常]
年末のことで書き忘れていたことがあった。
診てもらっていたちょっとかわいい女医（糖尿病と甲状腺機能障害）が病院を変わることになった。
12月26日。年内最後の診療日に予約を取っていた私はいつものようにかなり多めの採血をされた（なぜか普通の人と同じ量だと分析できない項目があるらしく、倍くらいの量を採血される）。結果が出るまでの間、つまり予約時間までの間お茶を飲みながら手持ちの本を読んだり立派な、池のある庭を散歩したりしながら過ごし時間が来ると診察室の前で名前が呼ばれるのを待った。
名前を呼ばれて中にはいると女医は眉間にしわを寄せながら私の検査報告書の画面に見入っている。前の椅子に座ってその様子を黙って見ていた。
やがて私の方を向くと、血糖値はHbA1cも良いが甲状腺ホルモンの値がまた低くなっているのと、今回初めて中性脂肪が基準値を超えているのが気にかかると言われた。それから昨夜の食事の事を聞かれた。確かクリスマスでもあったのでケーキとかチキンのから揚げとかを食べた事を伝えると得心したように頷いて「そうか、そのせいね。では気にしないことにしておきましょう」といった上で、甲状腺ホルモンについては今の薬の分量の見直しは次回まで様子を見ることにするとのこと。年末の挨拶をして帰ろうかと思った矢先に「実は今日、この病院での診察が最後になるんです。大阪の方の病院変わることになりました。どうもお世話になりました。miyataさんのことは院長先生が糖尿の専門ですから引き継いで診ていただきます。」と告げられた。院長先生は知らないが、そうと聞いた途端になぜか体力測定の時の医師の顔が浮かんでゲショッとした。私はそれはとても残念だ。糖尿はさておき甲状腺の異常を見つけてくれてとても助かった。ずっと診て欲しいのだが仕方がないというと女医はちょっといたずらっぽい笑顔で「では追いかけて来てくれますか？」といったのだった。
年甲斐もなくドキッとした。そうしたいのは山々だが遠すぎますねと答えながら動揺を見透かされたような恥ずかしさを感じつつ良いお年をと言葉を残して診察室を出た。こういうときにせめて見透かされることなく年齢にふさわしい軽妙な受け答えができればよいのにと思いながら愚鈍な自分が重たかった。
神戸や大阪ほど規模は大きくないが今住んでいるところのすぐ近くに恵美須神社がある（16日訂正）。十日戎の時には屋台と人で埋まる。歩いても今の妻ならギリギリ往復できるくらいの距離なので、さほど人が多くないだろう八日の宵恵美須に二人で出かけた。それでもかなりの人出だった。二人でおみくじを引いた。妻は大吉で私は中吉だった。そして行列に並んで参拝してきた。
帰り道、妻が「あ〜、しまった〜」と声を上げた。どうしたのかと聞くと「お釣りをもらってくるのを忘れた」といかにも失敗したような顔をして神社の方に戻りかけた。私は思わず吹き出した。神様からお釣りをもらい忘れたなんて聞いたことがないではないか。笑いながら「仕方ないな。今から戻ると人で大変だから、来年までおいといたら」というと諦めきれない様子で「来年までは長すぎるわ。しまったなあ。けどしょうがないか。この人ではなあ」といって諦めた。気になっていくらお釣りがあったのかと聞くと「25円やと思うけど」ということであった。おかしくて家まで笑い通しだった。妻は不満そうに少しよろけながらも無事に家までたどり着いたのだった。
ステロイド剤を飲み始めて一ヶ月を過ぎた。今は最初の薬より軽いものに変更になっているが、この季節、ダメージに弱いから続けるという。しかし、最近非常にうるさい。学校に行くと言いはじめると聞かないし、今日はデイケアから帰ってきた後、おやつにお餅を焼いてあげようかと私が言ったのだがそれが引き金になって「忘れてた！お餅を焼いている途中だから、早くひっくり返さなくては」と言いはじめてからが大変だった。箸を持ったまま玄関までおり、お餅を焼いているところを探し回って家の周りを一周した。夜はいったんベッドにはいるとすぐに寝てくれるし途中でトイレに起きた後もおとなしくベッドに戻ってくれるので助かるが朝からとにかくやる気満々で振り回されている。足下はどんどんしっかりしてきているので（車椅子はもう返そうかと思い始めている）薬の影響としか思えない。来週の診察日に薬の中止を相談してみようと思う。
診てもらっていたちょっとかわいい女医（糖尿病と甲状腺機能障害）が病院を変わることになった。
12月26日。年内最後の診療日に予約を取っていた私はいつものようにかなり多めの採血をされた（なぜか普通の人と同じ量だと分析できない項目があるらしく、倍くらいの量を採血される）。結果が出るまでの間、つまり予約時間までの間お茶を飲みながら手持ちの本を読んだり立派な、池のある庭を散歩したりしながら過ごし時間が来ると診察室の前で名前が呼ばれるのを待った。
名前を呼ばれて中にはいると女医は眉間にしわを寄せながら私の検査報告書の画面に見入っている。前の椅子に座ってその様子を黙って見ていた。
やがて私の方を向くと、血糖値はHbA1cも良いが甲状腺ホルモンの値がまた低くなっているのと、今回初めて中性脂肪が基準値を超えているのが気にかかると言われた。それから昨夜の食事の事を聞かれた。確かクリスマスでもあったのでケーキとかチキンのから揚げとかを食べた事を伝えると得心したように頷いて「そうか、そのせいね。では気にしないことにしておきましょう」といった上で、甲状腺ホルモンについては今の薬の分量の見直しは次回まで様子を見ることにするとのこと。年末の挨拶をして帰ろうかと思った矢先に「実は今日、この病院での診察が最後になるんです。大阪の方の病院変わることになりました。どうもお世話になりました。miyataさんのことは院長先生が糖尿の専門ですから引き継いで診ていただきます。」と告げられた。院長先生は知らないが、そうと聞いた途端になぜか体力測定の時の医師の顔が浮かんでゲショッとした。私はそれはとても残念だ。糖尿はさておき甲状腺の異常を見つけてくれてとても助かった。ずっと診て欲しいのだが仕方がないというと女医はちょっといたずらっぽい笑顔で「では追いかけて来てくれますか？」といったのだった。
年甲斐もなくドキッとした。そうしたいのは山々だが遠すぎますねと答えながら動揺を見透かされたような恥ずかしさを感じつつ良いお年をと言葉を残して診察室を出た。こういうときにせめて見透かされることなく年齢にふさわしい軽妙な受け答えができればよいのにと思いながら愚鈍な自分が重たかった。
神戸や大阪ほど規模は大きくないが今住んでいるところのすぐ近くに恵美須神社がある（16日訂正）。十日戎の時には屋台と人で埋まる。歩いても今の妻ならギリギリ往復できるくらいの距離なので、さほど人が多くないだろう八日の宵恵美須に二人で出かけた。それでもかなりの人出だった。二人でおみくじを引いた。妻は大吉で私は中吉だった。そして行列に並んで参拝してきた。
帰り道、妻が「あ〜、しまった〜」と声を上げた。どうしたのかと聞くと「お釣りをもらってくるのを忘れた」といかにも失敗したような顔をして神社の方に戻りかけた。私は思わず吹き出した。神様からお釣りをもらい忘れたなんて聞いたことがないではないか。笑いながら「仕方ないな。今から戻ると人で大変だから、来年までおいといたら」というと諦めきれない様子で「来年までは長すぎるわ。しまったなあ。けどしょうがないか。この人ではなあ」といって諦めた。気になっていくらお釣りがあったのかと聞くと「25円やと思うけど」ということであった。おかしくて家まで笑い通しだった。妻は不満そうに少しよろけながらも無事に家までたどり着いたのだった。
ステロイド剤を飲み始めて一ヶ月を過ぎた。今は最初の薬より軽いものに変更になっているが、この季節、ダメージに弱いから続けるという。しかし、最近非常にうるさい。学校に行くと言いはじめると聞かないし、今日はデイケアから帰ってきた後、おやつにお餅を焼いてあげようかと私が言ったのだがそれが引き金になって「忘れてた！お餅を焼いている途中だから、早くひっくり返さなくては」と言いはじめてからが大変だった。箸を持ったまま玄関までおり、お餅を焼いているところを探し回って家の周りを一周した。夜はいったんベッドにはいるとすぐに寝てくれるし途中でトイレに起きた後もおとなしくベッドに戻ってくれるので助かるが朝からとにかくやる気満々で振り回されている。足下はどんどんしっかりしてきているので（車椅子はもう返そうかと思い始めている）薬の影響としか思えない。来週の診察日に薬の中止を相談してみようと思う。
意識をしないで暮らす私は
先日鏡村の販売店でおつりもらったかな？
財布を除いた、レシートがあった。
by うしさん (2009-01-15 08:16)
主治医が変わるのはいやですね。神様からおつり、ザンネンでした。
by SilverMac (2009-01-15 08:49)
女医さんに対する少年のようなmiyataさんの反応に微笑ましく感じました。
参拝後のおつり事件(?_?)にも笑ってしまいました・・・
ステロイド剤は元気になりますね〜
癌だった友人が張り切っていた頃を思い出しました。
by yakko (2009-01-15 09:35)
主治医が変わった経験のある拙者も、やっと今の医師に慣れてきました。
miyataさん、大阪は近いですよ。
by 左膳 (2009-01-15 18:58)
こんばんわ。
院長は・・あの医師なんですか？
違いますよね （＾＾；）
「 年甲斐も無く ドキドキ 」
ドキドキに年は関係ないと思いますよ。
奥様へのドキドキ ＴＶの女優さんでもドキドキ
それは若さへの秘訣だと思いますよ。
お釣り忘れちゃった～ はなんだか失礼ながらも私も笑わせていただいちゃいました～。なんだかとてもかわいらしいくて～。
ステロイド剤は行動が良くなるんですね～
良くなりすぎちゃうのも 体の負担になりますね。
見守る側も大変ですしね。
お薬は本当に難しいですね。
by tonton (2009-01-15 19:01)
今晩は。
この可愛い女医さん、miyataさん完全に負けちゃっていますね。
この人はきっともてる事に慣れている方だと思います。
可愛くて、頭が良くて、こんな台詞を平気で言ってしまう明るいお茶目さに、男性は弱いものです(笑)
奥様もパワー全開ですね！この寒さの中、朝からヤル気満々ですか。
でもそれってお薬のせいなのですね。
お気をつけ下さいませ。
by hana (2009-01-15 22:12)
うしさん、おはようございます。
お賽銭箱に入れたお金のお釣りをもらい忘れたというのには、笑いました。神様もびっくりしたことでしょうね（爆）。
by miyata (2009-01-16 04:35)
SilverMacさん、おはようございます。
次から院長だということでなんだかちょっと心配です。
えべっさんでは思い出したことがあります。ちょっと元気だった頃（４年前くらいと思います）散歩で出かけた時に本殿の前で「ここのえべっさんはけちやからな」といったのです。その時も声をひそめて笑いました。
by miyata (2009-01-16 04:41)
yakkoさん、おはようございます。
ステロイド剤というのは元気になるんですか？知りませんでした。
まことに元気で、いささか困るくらいです。やりたいこと、やらなくてはいけないことが詰まっているようです。
by miyata (2009-01-16 04:44)
左膳さん、おはようございます。
>大阪はちかいですよ。
え、そうですか？ちょっとグラッとしますね（笑）。
by miyata (2009-01-16 04:47)
tontonさん、おはようございます。
最近、一気に老けましたからねえ(T.T)
ドキッとしたことで余計に年を感じました（淋）。
ステロイド剤って元気が出るなんて知りませんでしたよ。
だけど、ここしばらく見ていて何かをやりたいんだなあということがよ〜くわかりました。それを見つけられればいいんですが、皆目見当がつきません。
by miyata (2009-01-16 05:09)
hanaさん、こんばんは。
負けちゃいましたね（笑）。この方、もてるんでしょうかねえ。
たぶん、他意もなく私が受け取った文脈とは全然違う意味で言ったような気がします。そういう危うさが、なんか面白い魅力としてありましたね。
いずれにしろ、日本語は人を惑わせます。いや、ここでは惑いたいと思う私がいたというべきでしょう。
by miyata (2009-01-16 05:16)
こんばんわ
主治医が変わるのはこれも仕方の無いことですが、次の医師が自分の体の病態や生理機能を理解してくれるまで、また時間がかかりますね。私の甲状腺は良性のポリープが出ていますが、これがおかしいことに、小さくなったり大きくなったりで、日赤の医師もよう分らんと経過観察中です。
口腔外科はもう３０年も通院していますが、顎の骨がどういう周期なのか
少しづつ変形してきて歯がある日突然抜けてきます。変な病気です。これも神様の贈り物なんですかね？クビから上の病気が多いのは昔武士で多くの人を手にかけたからとよく言いますが、本当なんでしょうか？
人の体は不思議です。学生の時は解剖の授業があってパソコンで３Dの
解剖ソフトで勉強しましたが、実際に患者さんに触ってみると全然違います。顔がみんな違うのと同じですね。忘れ物気をつけていますが、息子をイトヨによく置いて家に戻ってきたことがありました。いけないいけない
by すず音 (2009-01-16 22:18)
主治医の変更、妻の場合は泌尿器科でしたが、曜日の都合で何度か代わりました。若い医師は応対もひどかったので、変わってくれないかと思っていたので、うちはラッキーだったというケースでしたが・・・・女医さんに一本取られた感じですね。
ステロイド系の薬だと副作用とかも心配でしょうが、こんなパワー？も引き出すのでしょうかね。
by タケノコ (2009-01-17 22:27)
すず音さん、こんばんは。
甲状腺にポリープが出来るんですね。人体ってというより自然はわからんのでしょうねきっと。自分が自然の一部をなしてるわけだから純粋な客観性は無理なんですよ。
首から上の話ってほんとうですか？ちょっと怖い話ですね。だけど恐がりですがそういう話はまったく信じないのです(^^ゞ
でも看護士さんから聞いた病院での話は、聞いてて怖かったですねえ、ほんと。病室で寝られなくなってしまいましたよ（笑）。
息子さんを忘れて帰るなんて長嶋さん並ですね（大笑）。
by miyata (2009-01-18 00:42)
タケノコさん、こんばんは。
かっこ悪いというか恥ずかしいんですが言ってみると、一本とられたというより最後にちょっと甘酸っぱい切なさを味わわせてくれてよかったなあって感じですよね(^^ゞ
ステロイド剤の事は何となくよく効くけど怖い薬というくらいの知識しかなかったのですが、急に興味が湧いてきました。今度お医者さんによく聞いてみようと思います。
by miyata (2009-01-18 00:55)
私は糖尿病の合併症から脳梗塞を起こしました。
ヘモグロビンＡ１ｃの数値気にしていた方が良いです。
お大事に。
by だるま (2009-01-21 22:40)
だるまさん、こんばんは。
>私は糖尿病の合併症から脳梗塞を起こしました。
そうだったんですか(◎-◎)
糖尿病は怖いですねえ。HA1cですが、現在6です。高めですね、やっぱり。現状で合併症のリスクはほとんど無いといわれてますが、正常値までは下がった方がよいとは云われています。とりあえず食前の薬だけの治療でして食事の管理、運動などはまったくやっていません（ほとんど病気のことを忘れてます。これがいかんようですけど薬だけは忘れずに飲んでます）。ストレス要因がまだ容易に解消できないのですが（だるまさんと似た要因です）、三月か四月この整理がつくときちんと対策してみようと思ってます。
by miyata (2009-01-21 23:07)