経過７ [介護と日常]
19日 救急病棟の自動ドアは復活していた。患者さんは一般病棟か他の病院に転院でもされたのかなと思っていたら、廊下で出会った。その背中には赤いマジックで病棟の所属を表す大きなゼッケンが貼られていた。
病室に入って驚いたのはこっちだった。いつものようにベッドの側に行くと別人が寝ていてギョッとする。向かいのベッドを見ても違う人が入っている。部屋を間違えたかといったん出て確認しても間違っていない。慌てて詰め所に行く。そこで一般病棟に変わったことを知らされた。せめて連絡くらいして欲しいと思ったが、やはり戦場のような忙しさを目の当たりにするとそんなことを言ってる場合ではないと思い直して、新しい病室に行く。
救急センターの新棟から旧棟へは迷路のような道順で途中道路を跨ぐ空中廊下を通って辿り着く。二度道順を聞いた。こんなことならいったん１階に下りてから旧棟に行けば良かったと後悔する。
一般病棟の脳外科は、生が充満していた。廊下を歩く人も車椅子で移動する人も皆それぞれ違う部所に手術痕が髪型に残っている。丸坊主の人、左側の側頭部前面だけ剃られている人、右側だけの人、前頭部だけの人とかまるで落武者ファッションのオンパレードみたいだった（ちょっと不謹慎な例えかな）。妻の新しい病室は六人部屋だった。救命救急センターと違い、いかにも狭い。妻を見ると疲れた顔をしてずっと目を閉じている。声をかけてもまるで反応せず「今日はもう勘弁して」といっているようだ。引っ越しに疲れてしまっているのだろう。この日は面会時間が終わったことを告げるアナウンスがあると早めに帰ってきた。
20日 一般病棟の面会時間は午後三時から八時まで。なんだか体が重くて家でグズグズしているうちに四時を過ぎてしまい慌てて病院に向かう。バスを降りて信号を渡ろうとすると仕事を早めに終えた娘とばったり会った。妻は昨日とは違い、目もしっかりして元気そうだったが、固い痰がへばりついていたので管を交換したとのことで声は出なかった。しかし私たちの話しかけに頷いたりして応えてくれた。
主治医がやってきて、これからはリハビリであること。嚥下障害があまり認められないので、喉の切開を塞ぐことが当面の目標になることが伝えられた。
救命救急センターでの妻は生命の危機を脱出した後は普通の入院患者のようであったが一般病棟に移ってしまうと、とびっきりの重症患者のように見える。だが、ここの方が負担がないようだ。煩わしいモニター音も聞こえない。テレビも見られるようになった。ちょっぴり日常に近い雰囲気がある。表情が以前にも増して穏やかになっている。未だ身動きがまったくとれない状態だが、リハビリ病院が決まるまでにどれだけ回復するのか再スタートである。
病室に入って驚いたのはこっちだった。いつものようにベッドの側に行くと別人が寝ていてギョッとする。向かいのベッドを見ても違う人が入っている。部屋を間違えたかといったん出て確認しても間違っていない。慌てて詰め所に行く。そこで一般病棟に変わったことを知らされた。せめて連絡くらいして欲しいと思ったが、やはり戦場のような忙しさを目の当たりにするとそんなことを言ってる場合ではないと思い直して、新しい病室に行く。
救急センターの新棟から旧棟へは迷路のような道順で途中道路を跨ぐ空中廊下を通って辿り着く。二度道順を聞いた。こんなことならいったん１階に下りてから旧棟に行けば良かったと後悔する。
一般病棟の脳外科は、生が充満していた。廊下を歩く人も車椅子で移動する人も皆それぞれ違う部所に手術痕が髪型に残っている。丸坊主の人、左側の側頭部前面だけ剃られている人、右側だけの人、前頭部だけの人とかまるで落武者ファッションのオンパレードみたいだった（ちょっと不謹慎な例えかな）。妻の新しい病室は六人部屋だった。救命救急センターと違い、いかにも狭い。妻を見ると疲れた顔をしてずっと目を閉じている。声をかけてもまるで反応せず「今日はもう勘弁して」といっているようだ。引っ越しに疲れてしまっているのだろう。この日は面会時間が終わったことを告げるアナウンスがあると早めに帰ってきた。
20日 一般病棟の面会時間は午後三時から八時まで。なんだか体が重くて家でグズグズしているうちに四時を過ぎてしまい慌てて病院に向かう。バスを降りて信号を渡ろうとすると仕事を早めに終えた娘とばったり会った。妻は昨日とは違い、目もしっかりして元気そうだったが、固い痰がへばりついていたので管を交換したとのことで声は出なかった。しかし私たちの話しかけに頷いたりして応えてくれた。
主治医がやってきて、これからはリハビリであること。嚥下障害があまり認められないので、喉の切開を塞ぐことが当面の目標になることが伝えられた。
救命救急センターでの妻は生命の危機を脱出した後は普通の入院患者のようであったが一般病棟に移ってしまうと、とびっきりの重症患者のように見える。だが、ここの方が負担がないようだ。煩わしいモニター音も聞こえない。テレビも見られるようになった。ちょっぴり日常に近い雰囲気がある。表情が以前にも増して穏やかになっている。未だ身動きがまったくとれない状態だが、リハビリ病院が決まるまでにどれだけ回復するのか再スタートである。
病棟移動は、重症患者にとっては負担でしょうね。徐々に快方に向かっている様子、良かったですね。
by SilverMac (2010-01-21 10:23)
着々と快方に向かっていますね
リハビリ病院が奥様にあった病院でmiyataさんの通院に便利であってほしいとおもいます。お大事に。
by うしさん (2010-01-21 10:46)
こんにちは。
一般病棟に移られたんですね。
着実に良い方向に向かっておられて良かったです。
一般病棟の方が気分的には楽ですね。
by yakko (2010-01-21 16:35)
miyataさん、こんばんは。
前回ではそれほどではないと書かれていましたけれど･･･お倒れになって一ヶ月で、一般病棟へとは凄い回復ぶりですね。
私のいたリハ病院で、一番仲良しだった方は脳腫瘍の後遺症のリハビリで入院されていました。
ですから、常に頭にはお帽子をかぶっていた。さすがに入浴時にははずされていたのですけど、同じ女性として気の毒でとても見るどころではなかったなぁ･･･って、そんなことを思い出してしまいました。
今のお体に慣れるまでは身動きなど出来ないのは当然かと思います。
私も普通に靴をはこうとして、ベッドから落っこちました。
miyataさんも、お疲れですね。
奥様が新しい病棟に早く慣れて、より快方されますように。
by hana2009 (2010-01-21 22:36)
SilverMacさん、こんにちは。
一般病棟への引っ越しは、この病棟の二階がリハビリセンターになっていることが大きかったようです。若い主治医の熱意を感じました。
それにしても当日の不機嫌は、まさに引っ越しによる環境変化の負担だったのでしょうね。
by miyata (2010-01-22 14:01)
うしさん、こんにちは。
リハビリ病院があうかあわないか。ここが問題ですね。回復期治療の病院リストを見せてもらうと、交通が便利なところはあまりなくて、しかも認知症患者に対しては消極的だという事情は七年前とあまり変わっていないようです。ただ、以前と違うのは身体の機能回復が目的になるだろうということで、薬漬けにして寝たきりにさせられることはないだろうということです。高次脳障害に関しては京都は「ものすごく」遅れているのです。取り組んでいるところがほとんどないと医療社会事業部の方に聞いてがっかりしました。
by miyata (2010-01-22 14:07)
yakkoさん、こんにちは。
一般病棟はやはり気が楽ですね。毎日日替わりメニューのようで、良い時悪い時がはっきりしていますが、悪い時の次によい時はさらに良くなっている感じがします。だけど、まだまだ全然です。表情からもう少し病人らしさが消えてくれないと駄目ですね。
by miyata (2010-01-22 14:13)
hanaさん、こんにちは。
以前くも膜下出血で倒れて手術した時の事を振り返ってみますと、術後16日目で一般病棟に移っていました。低体温療法と麻酔でずっと寝た状態にして、感染症対策や副作用（血管れん縮、水頭症等）対策をして一定期間を過ぎるとすぐに起こしはじめたわけですが、その時点で一般病棟に移っていましたね。
今回一般病棟に移ったのは、その棟の二階がリハビリセンターになっていてリハビリを早く開始することも目的だったようです。
実は救急から移されたと聞いた時は、「手厚さ」から放り出されるのではないかとちょっと不安を感じましたが逆でした。脳出血→手術から身体回復機能のリハビリ開始まで遅れていたんですね。
昨日、手術以来初めてシャワーをしてもらったようです。ちょっとお疲れモードでした。頭の真ん中をお侍さんのように剃っていましたので、髪がフワッとするとまさに「落武者」です（笑）。今日帽子を持って行ってやろうと思ってます。
by miyata (2010-01-22 14:38)
奥様、一般病棟に移られて良い所も、困った事も出てくるでしょうね。
今は、本当に早いリハビリが機能の回復を早めるようなので、傍で見ている方はドキドキと心配してしまいます。
それにしても、何の連絡もなしに移ってしまわれて、病室を覗いた時にはどんなにmiyataさんがびっくりしただろうと…
結果ＯＫのようですから、その時の事は後で笑い話になりそうですね。
毎日の通院、ホッとしてくると疲れが出てくると思いますので、眠れる時はいっぱい眠って体力をつけて下さい。
本当にmiyataさんが風邪でもひいたら、面会できなくなりますから…
by ほんのり (2010-01-22 22:35)
一般病棟へのお引っ越し、病院側の都合も有りましょうが、容態的にも落ち着かれたようですからね。
嚥下障害もないようだとのこと、良いリハ病院があるといいですね。若くてもいいリハビリ師（PT、OT）もいますから。
by タケノコ (2010-01-23 17:43)
回復傾向
喜んでいます
by すず音 (2010-01-23 19:18)
ほんのりさん、こんばんは。
今日はちょっと発熱してずっと眠っていました。土曜日でリハビリがお休みなのでまるでそれに合わせて休んでいるようです。
リハビリですが車椅子への移動とか、ほんとに大丈夫なのかと心配になります。
いつものベッドに違う人がいた時はほんとに驚きました。二回ドキッとしましたよ。まずカーテンを開けると管だらけ。ここで一回心臓が止まりそうになって、慌ててベッド脇に行くと別人だったので二回目の(◎-◎;)ドキッ!!詰め所では思わず勘弁してくれと言いたくなりました（笑）。
今日土曜日は、よく寝ました。朝起きて食事の後お昼過ぎまで寝て、軽く昼食をとったらまた眠たくなって目が覚めると夕方でした。それから慌てて病院に行きました。帰って遅い夕食を食べたらまた眠くなって今まで寝てました(^◇^;)ちょっと中途半端な時間に起きてしまいましたが、気分はいつになく爽快です。
by miyata (2010-01-24 03:24)
タケノコさん、こんばんは。
ほんとに落ち着きました。食事も毎食口から食べるようになって、胃ろうからは栄養補助という感じですね。
リハビリ病院、良いところが空くと良いのですがねえ。それが気がかりです。
by miyata (2010-01-24 03:30)
すず音さん、こんばんは。
ありがとうございます。お母さんの方はいかがでしょうか。
by miyata (2010-01-24 03:31)
おはようございます～
寝だめしまくりですか～
by 練習菌 (2010-01-24 03:49)
練習菌さん、おはようございます。
そっちは徹夜で今頃スヤスヤかな。昨日は寝だめしておりました。
おかげですっきりです(^^)
by miyata (2010-01-24 11:31)
一般病棟へ移られたとの事。回復に向かってまた一歩前進ですね。
僕の場合脊髄で脳外に入院・手術でしたが､当たり前ですが脳外は､脳手術の人達が大半で､僕なんかは脳外の中で一番元気なほうでした。
奥様も脳外の中でも､早く元気なほうになられますように。
by Allora (2010-01-25 17:08)
こんにちわ
もうすぐうちも４週になります
今週酸素がはずれて リハビリですね
歩けるようになって欲しいですけど
どうなることやら
by すず音 (2010-01-26 06:34)
Alloraさん、おはようございます。
女房がいる病室はみなさん脳の手術をされてるようなんですが、車椅子で移動したり、普通に歩いたりとかなり回復された方ばかりで寝たきり状態はうちの女房と、お隣のちょっと難しそうな患者さんだけです。この方がひょっとしたら一番難しいというか重篤なのかもしれません。
で、昨日お一人が転院されて今日もう一人がリハビリ病院に転院します。すでに非常に元気で、あれを見るとうちはまだまだ受け入れてもらえないのかもしれないと心配になります。ま、まずは気管切開が閉じられることですね。二日間ほど発熱してずっと眠ったままでしたが、昨日はとてもすっきりした表情で迎えてくれました。
by miyata (2010-01-26 08:33)
すず音さん、おはようございます。
４週間酸素が離せなかったわけですね。ほんとに重症ですね。元気になっていただきたいです。
ところで話が変わりますけど、以前すず音さんに「どうしてダイコンを干すのですか」と聞いたことありましたね。で、ようやく理解しまして（遅すぎるんですけど(^^ゞ）昨年ダイコンを干して今年タクアンを漬けました。水が上がってこなくて心配しましたが、一昨日ようやく水が上がってきまして楽しみです(^^)v
by miyata (2010-01-26 09:23)