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胃ろうを閉じた 経過報告14 [介護と日常]

ブログの更新をかまけているうちにもう四月に入った。雪が降ったり、雨が続いたり安定しない日が続いているが、それでも市内の桜はかなり咲き始めている。木屋町沿いの桜はこの週末に満開になるだろうし、鴨川沿いの桜も来週半ばには見頃になるのではないだろうか。
妻の様子だが転院後一ヶ月が過ぎ、病院から評価と計画書が出た。

認知機能障害: HDS-R(改訂 長谷川式簡易知能評価スケール)3/40 MMSE(認知機能検査)11/30

(※重度の認知症の判定だが面白いことにMMSEは過去最高点である。認知機能と意識は怪我をする前とほぼ同程度の状態を維持している。)

運動障害:BRS(右):上肢Ⅴ、手指Ⅵ、下肢Ⅱ〜Ⅲ

(※麻痺が出た右半身だが、手の方はある日救急病院のベッドで突然動かすようになってからずいぶん回復した。転院してから箸も使えるようになり、今ではこぼしたりする失敗も格段に減ってきている。これはまだ回復する余地ありと思える。右足の方は評価のⅡ〜Ⅲのレベルがどのレベルを指しているのかわからないが、ほとんど動かせない。ただし、わずかに筋肉が反応しているのはわかる。)

感覚障害:精査困難

(※これは、まあ話が通じないので仕方あるまい(苦笑)。)

筋力低下:握力:右9.0kg 左9.6kg
     MMT:上肢 右4 左3+〜4 下肢右2 左4

(※麻痺が残る右手の握力が記録出来たことが驚き。左の方は悲しいまでの低下。だいたい左右35㎏ほどあった。これは職人さんだったせい。土をこねたり揉んだりはかなりの力仕事だったのだろう。ちなみに私はほんの6年前には握力右70㎏ 左68㎏あったが今年測ったときには右45㎏ 左42㎏しかなかった。50㎏を切ったのがショックだった。ま、これは関係ない話ですが(^^ゞ)

基本動作 寝返り   :一部介助
     起き上がり :一部介助
     坐位    :一部介助
     立ち上がり :一部介助
     立位    :一部介助

(※ようするに、手助けすればなんとかその姿勢をとることが出来るということ。)

短期目標
<理学療法>右下肢支持性向上、筋力向上、立位安定性向上、基本動作能力向上
<作業療法>右上肢の随意性向上、筋力向上、認知機能の向上
<言語聴覚療法>明瞭度、声量の向上、嚥下能力の維持向上
具体的アプローチ
<理学療法>神経筋促通、筋力、立位・歩行 耐久性訓練実施
<作業療法>神経筋再教育訓練、筋力増強訓練、認知訓練
<言語聴覚療法>発声、構音訓練、口腔機能訓練

日常生活動作 食事        5点(一部介助)
       移乗        
        座れるが移れない 5点(坐位可)
       整容        0点(全介助)
       トイレ動作     5点(一部介助)
       入浴        0点(全介助)
       平地歩行      
        車椅子操作が可能 0点(全介助)
       階段        0点(全介助)
       更衣        5点(一部介助)
       排便管理      0点(全介助)
       排尿管理      0点(全介助)
       合計(0〜100)  20点

(※ここの評価が退院後の二人の生活と私を規定する重要項目。うーん、このままだと下手をすると寝たきりにさせてしまって褥瘡とかの心配をしなければならないような生活になってしまう。世話をしながら元気になる方法というやつを発見しなくてはいけないなあ。寄合所みたいなのを始めようかな・・・)

コミュニケーション その場のやりとりはだいたい可能だが、辻褄の合わないこともあり
活動度(安静度とその理由、活動時のリスクについて) 発動性低下しているが、坐位時など転倒のリスクあり

短期目標
<理学療法・作業療法>食事動作、排泄動作の介助量軽減
<言語聴覚療法>コミュニケーション能力の向上、安全な食事摂取
具体的アプローチ
<理学療法・作業療法>食事動作訓練、排泄動作訓練を行います。
<理学療法・作業療法>コミュニケーション訓練、口腔機能訓練を行います。

(※ありゃりゃ、ここでは途端に威勢がなくなってずいぶん控え目になってる(笑)。)

目標 動作への発動性向上 基本動作など軽介助でムラなくできる
本人・家族の希望 少しでも歩けたら嬉しい

(※この希望には泣ける。本人が問いかけの都度答えているそうだ。通路の扉が少しだけだが開いている。)

リハビリテーション終了の目安・時期 一ヶ月後検討

(※一ヶ月の猶予が与えられた。この猶予は希望を引き出せるかどうかだが、期待はしていないので現状のままでもがっかりはしない。むしろ本人が無力感や諦めをもたないかが心配。)

というわけで、入院が継続する。4月1日、胃ろうを塞ぐ処置が行われた。また一歩回復に向けて前進である。残念ながら桜の季節に帰宅という希望は叶えられなかったが病院の近所の桜を見に行こうと思う。もう少し暖かくなって欲しいし、ぐずついた天気も回復して欲しいなあ。
そろそろ退院に備えていろんな準備のための心づもりを始めなければならない。覚悟はとうにしている。とはいえ、当面は今のままでどうやって間に合わせるかが主たる課題となる。

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SilverMac

病状は香なり改善されているようですね。良かったですね。高知の桜も冷え込みがあったので、まだ咲いています。昨日から明日まで「花回廊」という催しがあります。昨日、傍を通ったら沢山の灯籠が設置されていました。
奥さま、桜をみられると良いですね。今日から気温が上がりそうです。
by SilverMac (2010-04-03 06:21) 

hana2009

おはようございます。
こちらはどうにか晴れてきてはいますが、相変わらず春とは思えない寒い一日になりそうです。

上に書かれている内容のこと。
自分では(ご家族からも)、現在の状況をどうしても良い方に取りがちですので、このように具体的な数値が出されると落ち込まずにはいられません。
入院中の基本動作の評価は・・・・私の場合も、今では想像できないほどに低かったのです。
家に戻ってから、それだけ回復したということなのですけれど・・・
家でも最初は、自分で靴下が履けないくらいでしたもの。
これも含めていくつかの自助具を購入したとたんに、必要なくなってしまうことが続きました。

奥様の場合は、移動する事が一番の問題のようですね。
右手の回復ぶりは素晴らしいです!
回復は最初の半年間で決まるなんて嘘です。誰がこんな事決めたのかしら。
諦めずに、これからもお互いに頑張って参りましょう!!




by hana2009 (2010-04-03 11:15) 

yakko

こんにちは。
病院から細かく評価と計画書が出るんですね〜
少しずつでも回復に向けて前進されているのが嬉しいですね。
早く桜を観に行けるくらいに暖かくなってほしいですね。
by yakko (2010-04-03 13:52) 

ほんのり

桜の満開とともに奥様の症状も落ち着いて来られたようで、嬉しいですね。
専門家でないので、詳しい数値は素人判断ですが、自宅での介護は大変なように感じられます。p(*^-^*)q がんばっ♪
miyataさんも腰を痛めていらっしゃるようだし、無理をせず、色々利用できる制度はどんどん活用されて下さいね。
在宅になると、やはりケアマネさんとの連携が一番大事だと…
信頼がおけるケアマネさんがいらっしゃると随分と楽です。
by ほんのり (2010-04-03 17:46) 

Allora

小生、ズボラなせいか母の細かな状態・数値は貴兄のように把握していません。
ベッドから車いすへの移乗・歩行器を使っての移動・トイレなどは出来ているようで、認知症の方は同じ事を何回も繰り返して言ったり、聞いてくる程度です。

退院に向けての準備が、貴兄の家は古くからのお宅でしょうし大変そうですね。うちの場合小さいアパートですからたいした事はないですが。
いずれにせよ、ご自身も無理のないようになさってください。
by Allora (2010-04-03 23:09) 

miyata

SilverMacさん、こんにちは。
京都は花見の客ですごいことになっています。昨日、病院からすぐ近所の京大の前にある百万遍知恩寺に妻と一緒に桜見物に出かけてきました。少し寒かったのですが楽しんできました。ここは人も少なくてのんびり出来ました。東山界隈は、もう外に出る気力も失せます(__;)
by miyata (2010-04-04 14:16) 

miyata

hanaさん、こんにちは。
数値化という目安は、医療でも何でも制度化するのに必要なツールなんでしょうね。客観評価という題目が必要なわけで、なきゃあ無いで困るものなんでしょう、やっぱり。でも、私はこういうのは全然気にしてないです。数値化の弊害も理解しているつもりです。医者に全部お任せという時代ではなくなったんですね。ある意味お互い不便な時代になったという感じです。
今の状態は、基本的に寝ているか座っているだけですけど少しでもいいから歩けるようになったらなあと願っております。
by miyata (2010-04-04 14:33) 

miyata

yakkoさん、こんにちは。
今日は暖かくていい天気です。でも人が多くてもう勘弁してという状態です。昨日少しだけ桜を見に行きました。今日はパスして明日は曇りのようですがまた病院の近所の桜を見に行こうかと思います。京大農学部の桜とかけっこうあるんですよ(∩.∩)
by miyata (2010-04-04 14:35) 

miyata

ほんのりさん、こんにちは。
そうですねえ、どうなりますことやら(´ヘ`;)ハァ
今までと内容がガラッと変わってしまいますね。何ができて何ができないかをもう一度再検討です。技術的に覚えなくてはいけないこともあるだろうしと覚悟してます。
腰痛はほとんど気にならなくなりました。早く回復して良かったです(^^)v
by miyata (2010-04-04 14:38) 

miyata

Alloraさん、こんにちは。
数値は病院が出してくるので、私がなんの努力をしているわけではありません(^^ゞ
状態把握の方は、簡単な日記をつけるようにしましてそれが最近になってけっこう役に立つようになってきました。今まで日記なんてつけたことがなかったんですけど、あんがい続いてます。最初の頃は料理記録でしたけどね(;^_^A アセアセ…
家のことは頭が痛いです。だけど、これはもう六年前から考えていたことなので、そろそろ片をつけなさいということかもしれませんね。グズグズしていたのは私が京都を引き払いたかったわけで、この問題にもそろそろ決着をつけなくてはと思います。いずれにしても、夏頃には引っ越しか大幅な改装か結論を出さないといけないでしょうね。片付けだけはボチボチしているのですが、まだまだ気が遠くなるような作業が残ってます。
by miyata (2010-04-04 14:46) 

タケノコ

計画書、今思えば、妻のリハ病院のはもっと簡単なものでした。医院長ではない担当医(専門は内科医のようでした)自体もあまり期待しないでというほぼ絶望的な言い方でしたね。

1ヶ月という短期で、どこまで施せるのか、出来るのかは
自助努力もありますが、病院側の姿勢(やる気)にも左右されますね。

戻られてからの生活環境も改善する点も多いでしょうが、いろいろな助成制度などを活用されてくださいね。
by タケノコ (2010-04-04 17:45) 

miyata

タケノコさん、おはようございます。
アドバイスありがとうございます。
まだどんな制度が使えるか知りません。病院のケアマネが今度いろいろ教えてくれるそうです。
計画書、7年前にはやっぱりこんなに詳しくはなかったですよね。進歩しているのかどうかはわかりませんが、いろんな判定項目が増えてるということは対応する技術が確立されているということかなとも思います。
この病院の院長さんは見たことがありませんけど、街角のポスターで毎日見ます。11日に行われる府知事選の候補者なんです。いやはやどうしますかね(苦笑)。
by miyata (2010-04-05 07:38) 

miyata

chihiroさん、ありがとうございます。
by miyata (2010-04-05 10:24) 

miyata

にこにこさん、niceありがとうございます。
by miyata (2010-04-06 04:11) 

にこにこ

なんと書いたらいいのかわからなかったのです。近所に93歳のご主人さんと85歳ものすごく太った奥様がいます。ご主人様は一切外には出てこない。奥様はシルバーカーかつえでやっとあるいていました。
先日ご主人様が入浴後にフラフラとして救急車でリハビリ病院へ入って今リハビリ中です。オム様が1日1日と回復して今では杖もなしのすたこらすたこらと歩き始めました。お嫁さんも娘さんもよい肩ですが寄せ付けなかったらしい。今はお嫁さんと娘さんが日参しています。元気なところを見せたい様子です。
by にこにこ (2010-04-06 14:34) 

miyata

にこにこさん、こんばんは。
これはまた、ひときわ難しいコメントをありがとうございます。
うーん、いろんな含みある「お題」でどう解釈して良いものやら。
奥様は太っていて普段歩くのもやっとだ。旦那は高齢で頑固な人で外との付き合いも断っている。実の娘でさえ寄せ付けない。そのご主人が入院されて家からいなくなると、娘さんも毎日家に来るようになり奥様はどんどん元気になられている。どうやらこの奥様は自分が元気なところを見せたいと思うほどには見栄っ張りな人でもあるようだ・・と。
邪魔な男がいなくなってせいせいし、明るさと健康を取り戻した家族の話なのか、そろそろ退場する時期が来た、ここらでふらついて居なくなってやるかと思った孤独な老人の話とするか。いろんな解釈ができそうですね。

by miyata (2010-04-07 03:33) 

にこにこ

失礼いたしました
このごろこの方にどう書くのがベストかなって悩んでかけなくなってしまいます
by にこにこ (2010-04-07 16:58) 

miyata

にこにこさん、こんにちは。
いつも真剣に読んでいただいて感謝しています。コメントが難しいと感じた時は気楽にスルーされたら良いと思います。私も見に行きましたというご挨拶がわりにniceだけを押してコメントをしないことはよくあります。熱心に読みながらそれすらもしない(他社のブログにはそういう機能がないというのもありますけど)ブログがいくつもあります。それは非常識だと怒られる方もいるそうですけど、そういう方のところにははなから行きませんから勝手にどうぞって感じです。
意外と開き直ってるところがあって、断りもせずにコメントを削除するし、かといってどこでなに言われようとあまり気にしてません。だから、嫌な噂を流されようが平気じゃないけど平気です。どこでどんな引用をされていても平気です。批判されていたら腹立てたり、なるほどなと思ったり。褒められていたら嬉しかったり恥ずかしかったり。まあしかし、完全に無視されるばかりだとかなり悲しいかもですけど。文章を公開するってそういうことだと考えてブログをはじめました。
ですから、私のまるで引きこもったようなブログを見つけてくれて熱心に読んでくれる方のことはわかるつもりです。どうか、読むことの負担を感じないでください。読んでいただけたらそれでじゅうぶんです。
by miyata (2010-04-08 12:56) 

すず音

ご無沙汰しております。PEGを閉じるのですね。回復の傾向なら
良い事ですね。やはり回復には時間がかかる場合が多いですよ。
リ・ハビリテーションですから、失くした機能を取り戻すための機能訓練
ですから、時間はかかっても当たり前です。手の回復は凄いですねえ。
リハビリの計画書 毎月毎月書いてますよ。RCCが毎月ありますので
症例検討会のように コメディカルが集まって検討しています。このバーセルインデックスが20点という低い点数ですが、機能の変化はある日突然また良くなったりしますので、これから上がっていくと思えば、頑張れる
と思います。生きてるだけでまるもうけなんても言いますし・・・
応援になりませんけど いつも陰ながら応援しています。
こんなに介護してもらってなんて幸せな人生なんだろうと。
by すず音 (2010-04-13 21:37) 

miyata

すず音さん、おはようございます。
PEG閉じました(^^)v
食欲もあって、どんどん元気になっていきます。元気になってくると気難しさも発揮しはじめたりして(;^_^A アセアセ…

>生きてるだけでまるもうけなんても言いますし・・・
まさにその通りで、女房に助けられました。あのまま帰ってこなかったら私は自分をどうしてよいかわからなかったでしょう。
by miyata (2010-04-14 09:04) 

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