母の日に 経過18 [介護と日常]
今日は母の日だった。午後になって娘と一緒にカーネーションを持って病院に行った。
病室にはいると昼寝中だった。というか日曜日にはリハビリもないのでベッドで寝るしかないのだろう。
娘が「おかん!起きて!」と起こす。まったく、品性のかけらもないわが家である。
熟睡中だったようで、妻は「ああ、 お き ま す」と不機嫌そうにもそっと目を開けた。「ます」の語尾を上げるような調子は昔から不機嫌なときの口調だ。
そのねぼけ眼の前に花を差し出すと「うわあ!ほんまに〜!ありがとう!うれしい!」「きれいなカーネーションやね!」とちょっとびっくりするような明確ではっきりでしかも大きな声で喜びをあらわにして、その喜び方にたじろぎながらも逆に感動させられてしまったのだった。
つい最近、こんなことがあった。天気も良いので病院の周りを散歩した。住宅街を周りながら植えられている花の名前を聞いた。その花は芝桜だったのだが妻はなんの淀みもなくこう言った。「ああ、これは『百年の女神』やな」って。思わず吹き出さずにはいられなかった。いったいどこからそういう言葉が出てくるのか不思議でならない。ただ思うに、こういう反応は日常の不便を埋めるために防衛装置を強化している結果ともいえるわけで、かなり精神的には内向きの状態が続いているのだろうと考えると不憫だった。
ベッドから出て病院の屋上に上がり給水塔の影のベンチで気持ちの良い風を楽しんだ。如意ケ嶽の大文字が手を伸ばせば届きそうなほど近くに見える。妻は空を見上げ、雲の動きを追った。
今日は抜群の日だ。
空の雲を追い、山の緑を追うなんて怪我をする前にもなかったことだ。
私もベンチに寝転がって空を見上げた。かつてこんな風に吸い込まれるような空をただじっと見つめたことをもう忘れてしまいかけていた。
屋上の隅に置かれている枯れかけた花や雑草が生えている鉢に一緒に水やりをしながら記憶に残る日になるだろうと思った。
病室にはいると昼寝中だった。というか日曜日にはリハビリもないのでベッドで寝るしかないのだろう。
娘が「おかん!起きて!」と起こす。まったく、品性のかけらもないわが家である。
熟睡中だったようで、妻は「ああ、 お き ま す」と不機嫌そうにもそっと目を開けた。「ます」の語尾を上げるような調子は昔から不機嫌なときの口調だ。
そのねぼけ眼の前に花を差し出すと「うわあ!ほんまに〜!ありがとう!うれしい!」「きれいなカーネーションやね!」とちょっとびっくりするような明確ではっきりでしかも大きな声で喜びをあらわにして、その喜び方にたじろぎながらも逆に感動させられてしまったのだった。
つい最近、こんなことがあった。天気も良いので病院の周りを散歩した。住宅街を周りながら植えられている花の名前を聞いた。その花は芝桜だったのだが妻はなんの淀みもなくこう言った。「ああ、これは『百年の女神』やな」って。思わず吹き出さずにはいられなかった。いったいどこからそういう言葉が出てくるのか不思議でならない。ただ思うに、こういう反応は日常の不便を埋めるために防衛装置を強化している結果ともいえるわけで、かなり精神的には内向きの状態が続いているのだろうと考えると不憫だった。
ベッドから出て病院の屋上に上がり給水塔の影のベンチで気持ちの良い風を楽しんだ。如意ケ嶽の大文字が手を伸ばせば届きそうなほど近くに見える。妻は空を見上げ、雲の動きを追った。
今日は抜群の日だ。
空の雲を追い、山の緑を追うなんて怪我をする前にもなかったことだ。
私もベンチに寝転がって空を見上げた。かつてこんな風に吸い込まれるような空をただじっと見つめたことをもう忘れてしまいかけていた。
屋上の隅に置かれている枯れかけた花や雑草が生えている鉢に一緒に水やりをしながら記憶に残る日になるだろうと思った。
シバザクラ保護欄になって「百年の女神」と言われたの驚かれたことでしょう。カーネーションも売れ買ったことでしょうね。
私も娘達に代わってカーネーションを買いました。ヽ(^O^)ゝ
by SilverMac (2010-05-10 05:59)
お早うございます。
カーネーションのプレゼントに嬉しい奥様の様子が伝わってきます。
ベンチでのひとときは最高に幸せなお二人の時間でしたね。(^。^)
うちも行くと必ず立ち話をするスーパーの花屋の奥さんに「旦那さんから〜」と手渡されたカーネーションの花束にビックリ。近くにいるMacに投げキッス(?_?)をお返ししました・・・f(^ー^;
by yakko (2010-05-10 06:27)
素敵な見晴らしですね
以前大文字の日に京都のどこだったか歩くと薪を背負ってあるくひとびとがみえました。
娘さんと一緒ならいいですね。私は夫から母の日のプレゼントをもらうのも「おかあさん」と呼ばれるのも好きでないです。しかし残念。
子供がものごごろついて、「私はあなたのおかあさんではない」
といったら「おい」しかいわなくなりました。
ちょうど夫の母親をおばあさんとお呼びするのを辞めたときですね。「おかあさん」にかえました。
子供が生まれる前は「チキ」理由はややこしいから?本名が出るから。
by うしさん (2010-05-10 08:00)
こんにちは。
カーネーションのプレゼントは、大成功ですね!
こんな言い方っておかしいですけれど・・・女性でお花を貰って喜ばない人はいません、誰だって花は好き♪・・・って、思います。
私は昨日、偶然にもお花屋さんのはしごをしてプランターに植え付けをする花を買い求めました。
どちらのお店でも、カーネーションを買い求める親子連れや、子供達の姿がありました。
自分の中では心ひそかに一応は少々期待をしておりましたが、見事に外れてしまった一日でした。
先日届いた毛蟹が、きっとそうだったのですね。
miyataさんが上に書かれたような・・・・なんでもない事、ささやかな一時が、本当は貴重なものなのですね。
またそれがあるからこそ、人は生きていけるものなのでしょうか。
by hana2009 (2010-05-10 13:38)
母の日が素晴らしい一日になったようですね。
GWはずっと天気も良く、ちょっと暑い日もありましたが、
外でのんびりするにはベストシーズンではないでしょうか。
「百年の女神」、もとからボキャブラリー(語彙)が豊富でなければなかなか出てこないような表現ですね。
by タケノコ (2010-05-10 23:34)
SilverMacさん、おはようございます。
お風邪の具合はいかがですか。お大事になさってください。
「百年の女神」はあまりにもよどみなく答えたので吹き出しました。
カーネーション、あんなに大きな声、といっても普通の話し声なんですが、で喜ぶとは思いませんでした。そろそろ病院での生活が限界に近づいているのかもしれません。
by miyata (2010-05-11 05:54)
yakkoさん、おはようございます。
おお!yakkoさんも素敵な一日だったんですね。映画のシーンみたいですよ(#^.^#)
by miyata (2010-05-11 05:55)
うしさん、おはようございます。
あらら、それはちょっと子供さんが可哀相でしたね。でもちゃんと反撃されてるようですから、さすがしっかりしたお子さんです(^^)
by miyata (2010-05-11 06:05)
hanaさん、おはようございます。
悲しみや不幸は折り重なっていくのに、幸福は一瞬あるいは過ぎ去るもの。でもこの一瞬が悲しみも不幸もリセットしてくれる感じですね。
カーネーション、私だったら花より蟹です(笑)。
by miyata (2010-05-11 06:11)
タケノコさん、おはようございます。
以前の「虚体」といい、今度の「百年の女神」といいどこかにそういう言葉が眠っていたんですねえ。ほんとに不思議です。私の女房はどちらかといえば無口でボキャブラリーも乏しいとは言わないけれどけっして豊とは言えなかったんですがねえ。むしろ倒れる前には、あの普段の喋りや言葉はこうした言葉を押し込めていた上での事だったのかなあと思ったりするこの頃です。
by miyata (2010-05-11 06:18)
tasuchanさん、ありがとうございます。
by miyata (2010-05-11 06:19)
chihiroさん、いつもありがとうございます。いただいたあのオイル、最近私の熟睡の友となってます(^^)v
by miyata (2010-05-11 06:21)
タケルさん、ありがとうございます。
by miyata (2010-05-11 06:21)
いいえいいえ夫に言ったのです
子供には決してそんなことは言いません
by うしさん (2010-05-11 08:36)
うしさん、すみません。ひどい誤読でした(;^_^A アセアセ…
by miyata (2010-05-11 17:25)
いいえいいえ私の言葉足らずもございます
by うしさん (2010-05-11 20:44)