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小さな紫の花 [介護と日常]

野放図に枝を伸ばす正体不明の鉢があってとりあえず今まで、つまり妻が倒れてからまる7年、枯らさない程度に水をやってきた。夏になると容赦なく枝を落としてきたが、いったいこの鉢はなんのために置いてあるのかずっと謎だった。今年の梅雨明けの頃、ほとんど枝を落としたのだがなんとなく可哀想になって陽が当たる場所に移してナスやキュウリのついでに水をやるようにした。けなげにもその木は細い枝を少々行儀悪く四方に伸ばしはじめたが切らずにそのまま放置しておいた。
今朝のことである。空が少し明るくなり始めた頃、ベランダに出て洗濯物を干しているとき思わず「あっ!」と声が出た。無用な植物だと思っていたその枝先に小さくて可憐な紫の花をつけていたのだった。
私は7年もその声を聞こうともしていなかったのだ。
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